ジョージ・ジョンソン(they/them)著 黒人でクィア。ぼくはきみに語りかける。回顧録『男の子みんながブルーってわけじゃない』

更新日:7月22日

※このブログでは、持ち込みをしたいなあと思いつつ、タイミングを逸してしまったり、ご紹介先を悩んでいる作品を紹介しています。ご興味がありましたら、レジュメを用意しますのでご連絡いただけると嬉しいです。


図書館で禁書扱いになるも、ニューヨークタイムズベストセラー!

HBO映像化決定。


「黒人でクィア。そんな僕は、今日もここにいる」


原書名:All Boys Aren’t Blue A Memoir Manifesto

仮邦題:ブルーなぼくらのマニフェスト または 男の子がみんなブルーってわけじゃない

著者:George Marchall Johnson

出版社:Farrar, Straus and Giroux (BYR) 2020年4月

言語:英語(米国)

分野:エッセイ集、オートバイオグラフィ、クィア、黒人文学、自伝文学、

総ページ数:320ページ



〇本書の概略:LGBTQIA+(Lesbian Gay Bisexual Transgender Queer Intersex Asexual +)の著名なジャーナリスト、人権活動家ジョージ・マーシャル・ジョンソンの自伝的エッセイ集。ニュージャージー州とヴァージニア州で育った幼少期から大学卒業までを振り返り、黒人でクィアとして生きることの苦しみ、喜びを書く。


これまでフィクションでもノンフィクションでも、黒人が描写される場合、苦しみや死に焦点が当てられることが多いが、苦しみながらも生きて喜びにあふれる姿を描くこと自体を目的に、同時に、マイノリティとして生きる人や、その周りの人にどのようにお互い支え合えばよいのか、ケアすればよいのかを示すために書かれた作品。


性描写や虐待の描写があるが、トリガー・ワーニングなど細部にわたり読者に対してのケアがあり、また、登場する人たちに対しても細心の心遣いをしたことが伝わってくる。


「はじめに:黒人でクィア。そんな僕は、今日もここにいる」を読むだけでも、ジョンソンの苦しみ、よろこび、そしてやさしさや強さががんがん伝わってきて、笑い、泣きたくなる。


小さい頃からいじめられたり、他の人とちがうのかなと思いながらも、誰に打ち明けられずに、でもどうにか自分の居場所を削りとってつかもうとするジョンソン。かっこいいおばあちゃんとのエピソードなど心が震える瞬間がたくさんの作品。


〇 著者紹介:ジョージ・マーシャル・ジョンソンはニューヨーク州ブルックリン在住のライターでアクティビストである。人種、ジェンダー、セックス、HIV、教育などのトピックに対し様々なメディアで記事を発表。本書がデビュー作。2作目は2021年9月。幼少期に焦点を当てた自伝We Are Not Brokenが刊行された。代名詞はthey/them。



〇各国での反応:2020年のBest Book of the Yearにアマゾン、Kirkus Reviews、ニューヨークとシカゴ公立図書館によって選出。people誌によって「この夏に読むべき1冊」に選出。Kids' Book Choice賞の最終候補。2021年テキサス州トパーズノンフィクションリーディングリスト、Publishers Weeklyのアンチ・レイシズムのリーディングリスト選出。スペイン語でも刊行されている。


2021年、本書にある性的描写などを問題視した保護者からの「これはポルノグラフィだ」という苦情に対応する形で、複数の図書館で禁書扱いになる。多くの読者や保護者が反対し、草の根運動を展開。現在も禁書撤回への運動が続けられている。その間、ベストセラーとなり、高く評価される。


俳優ガブリエル・ユニオンの製作会社I’ll have Anotherによってドラマ化が決定しており、現在、著者もプロダクションチームに参加して製作開始。


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